譜面創作理論2 ~譜面の構造~

第1回では良譜面に関する非常に概念的な解釈を紹介しました。今回はもう少し具体化して譜面の構造についてお話します。

正直今回は自分でも何を言いたいのかよくわからない感じになってます。中途半端に具体化した結果です。

※注意事項
・太鼓さん次郎にて譜面を作り始めて6年が経つ私自身の経験に基づいて譜面創作のコツを言語化したものです。元来譜面創作は主観的なものですので参考程度にお願いします。
・太鼓さん次郎特有のコマンド(SCROLLやBPMCHANGEなど)や譜面の表記方法(0~8の数字)を理解していることを前提とします。
・基本的に●=ドン、○=カツで譜面を表現します。0~8の数字で表記することもありますがご了承ください。
(例)10201121,→●_○_●●○●/

最終更新日:2016/03/16
【1】譜面の構造(概論)
まずは譜面の構造を検討する前に前回紹介しました良譜面の定義を再度載せます。

良譜面とはBGMのリズムとボーカルの雰囲気に合わせ、太鼓音がその中間に浸透し曲を引き立てている譜面のことである

楽曲にはボーカルがBGMを覆う階層構造がありその中間層に太鼓音を入れることが曲を引き立てるポイントである、と結論付けました。では「中間層に入れる」ためにはどのようなことを心がけるべきでしょうか。前回この階層構造を物理的な構造だと表現しましたが、では物理的にミックスし直さなくてはならないのでしょうか。無理ですよね。故に何度も言うように「浸透させる」という考え方に則る訳なのですが、そのためには譜面にも楽曲と同等の価値を与えてあげねばなりません。評価基準を共通させる、と言えば理解しやすいでしょう。

ここで楽曲と譜面で共通する評価基準について考えてみましょう。当然この2者は完全に異質なものでありますのでその具体的な構成要素については共通点なんぞありませんよね。しかし、「音楽」という括りにお互い含まれていると考えればいかがでしょうか。音色、音程、構造、音量など色々見えてきますね。つまり、譜面の持つこれらの要素を楽曲の持つものと比較して調整してゆくことが「中間層に入れる」ために欠かせない作業であり、今回はその中でも最もマクロな視点である「譜面の構造」に着目します。

詳細な構造、イメージは次の各論でお話しすることにしますのでここでは先に「世界観」という表現について説明しておきたいと思います。繰り返しですが太鼓音をBGMとボーカルの中間へ浸透させることを到達点としていますが、視点を変えるとこれは我々譜面創作者が唯一楽曲へ干渉しうる手段だと考えられないでしょうか。つまり、3者が互いに影響し合い新たな「曲」となった結果そこには作曲者や歌手の意思だけでなく譜面創作者の意図も反映されることになるのです。これを「譜面創作者の世界観」と呼ぶことにしましょう。オリジナルの世界観を楽曲に浸透させてプレイヤーへ提示することが出来る、これは譜面創作者に与えられた権利なのです。

以上の話を概論とさせて頂きます。

【2】譜面の構造(各論)
今回は絶対的な定義を説明するのではなく考え方の一例を紹介することが目的ですので、そのつもりでご覧ください。ご存知のとおり楽曲には流れがあり、これを「構造」と呼びます。具体例としてポップスを利用すると、イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ、という聞き慣れた構造が思い浮かびますね。あらゆる可能性を網羅することは出来ませんので、今回はこの構造を具体例に考えてみましょう。

楽曲へ譜面を浸透させるには当然構造を似せたほうが良い、というのは自明ですよね。敢えてバランスを崩して譜面を強調するのも有りかもしれませんが、ここでは良譜面の定義に従い楽曲の中間層に浸透させることを目標としますので構造を似せることを前提とします。では、以下に例としてポップスの構造へ譜面を浸透させるにはどのような意図を持てばよいのか、私なりの考えをご紹介いたします。繰り返しですが、絶対的な解釈ではございませんのでご了承下さい

①イントロ
何も知らない相手を世界へ引き込む最初の一手です。無論独特な世界観を表現するために奇抜なものを提示することは間違いではありませんが、棘だらけの荒れた譜面を見せても仕方がありません。後の回で詳しく扱います汎用性の高いテンプレ譜面を基盤に多少の棘を個性として残した譜面にするのがベストですね。

②Aメロ
ここがテンプレ譜面の大活躍の場でありそして工夫が必要なところです。どうやって自分の世界観を膨らまして表現することができるのか。勿論ここが最大の見せ場というわけではなくあまり派手にする必要はありませんので本当は適当な感じで流しても良いのですが、確実にマンネリ化するので敢えて工夫するよう努めるべきです。

③Bメロ
曲によるのですが、大半の曲ではこの部分は「テンションを落ち着かせる」ところです。「音符を少なくする」「より簡単なリズムにする」というのが王道的手段でしょうか。Bメロ末尾でサビへの架け橋として盛り上げるのも一つの手かと。

④サビ
最大の見せ場です。自分の思いを最大限にぶつける、誰かに見てほしいフレーズを載せる等々、思う存分暴れてよい部分ですね。リミッターを解除しましょう。ただし、過度な局所難には気をつけましょう。

この考え方をもとに、各パートの役割を要約すると以下のように表現できます。

イントロで頭を切り替えさせ独特の世界へ引きずり込み、Aメロで世界観を膨らまし、Bメロで膨らんだ世界の中を漂わせて、サビで一気に駆け抜ける

少々極端な言い回しかもしれませんが、ニュアンスは理解できると思います。このように、譜面にも流れを持たせることが楽曲の中間層へ浸透させるのに必要になります。概念的なため具体的にイメージしにくいかと思いますが、前述の通り参考程度にお願いします。

【3】譜面のリピート構造
大局的な構造に次いでもう少し細かく見てみましょう。独特の世界観を浸透させるにはどうしても小節単位で同じフレーズをリピートする必要があります。多彩な変化がプレイヤーにとっての楽しさの源であると考える方が多いかと思いますが、原則として同じ譜面をリピートすることは譜面創作者の意図を反映する上では欠かせない技術であり、決して手抜きなどではないのです。作曲でも同じことが言えると思います。今回は触れませんが、このリピートから単調さを取り除いて魅了する基本的な技術は存在し、実は荒削りの譜面に後付で秩序(=リピート構造)を加える技術は容易に獲得できるものではないのです。故に私は譜面創作に慣れていない方は必ずリピート構造を念頭に置くよう意識するべきであると思います。

以下にご紹介しますのは標準的なリピート構造の一部であり重要ですが、所謂王道ですので必ずしも従う必要はありません。しかし、まだ譜面創作に慣れていない方には打ってつけの話だと思います。余談ですが、実はこのリピート構造の概念だけである程度新人が作った譜面を見抜くことができます。単調さを失った高等なリピート構造、単調さも秩序もない乱雑な譜面、機会があれば是非区別してみてください。

①ABAC則
これは私も本家も愛用している構造です。


Ⅰ千本桜(おに、裏)
●___○__○●_●_○_○_/
●___○__○●_●_○_●_/
●___○__○●_●_○_○_/
●___○__○●_●_○___/

Ⅱミュージック・リボルバー(おに、裏)
●_●●○○●●_●_●○_●_/
●●●●○_●●_●●●○_●_/
●_●●○○●●_●_●○_●_/
●●●●○_●●●●●_○___/

Ⅲ珈琲の味と(おに)
●_○●_○●_●●●_○_●_/
●_○●_○●_●○●_○_●_/
●_○●_○●_●●●_○_●_/
●_○●_○●_●○●_○_○_/

このようにAというフレーズを浸透させながら相手にBCという二種の世界観をぶつけることが出来ます(特にCが狙いどころ)。大変優れものです。

AAAB則
上記のABAC則を簡潔にしたものです。


ⅠPurple Rose Fusion(おに)
●●_●○_●_●●●●○_●●/○●_●○_●●●●○_○_●_/
●●_●○_●_●●●●○_●●/○●_●○_●●●●○_○_●_/
●●_●○_●_●●●●○_●●/○●_●○_●●●●○_○_●_/
○●_●○○●_○●_●○○●_/○○●●○○●●○○●●○○○●/

Ⅱそつおめしき(おに)
●_○_●○○○●_○○●_○_/●○●○○_●_○_●_●_○_/
●_○_●○○○●_○○●_○_/●○●○○_●_○_●_●_○_/
●_○_●○○○●_○○●_○_/●○●○○_●_○_●_●_○_/
●_○_●○○○●_●○○_●_/○○●_●_○_○○○○●●●●/

Ⅲ Silent Jealousy(おに、裏)
●_○__●○_●_○●_●○_/
●_○__●○_●_○●_●○_/
●_○__●○_●_○●_●○_/
●_●●●●○_●__●__●_/

最も単純な例としてはA→ドンだけ B→カツだけ、と振りわける手法ですかね。どんな単調な譜面でも最低限これくらいの繰り返し構造は維持しましょう

③AABB則
非常に単純な規則です。ABAC則に比べてわかりやすくて伝わりやすいのが特徴です。

例 Red Rose Evangel(おに)
●_●_○_○_●_○_○_●_/
●_●_○_○_●_○_○_●_/
●●●_○_●_○_●_○○●_/
●●●_○_●_○_●_○○●_/

典型的なものはこれくらいですかね。別にどのようなリピートにしても構いませんしあくまでこれは私の愛用リピートと単純なものを紹介したまでですので、このような考え方がある、ということを重点的に理解してください。


【4】まとめ(箇条書き)
・譜面を楽曲の中間層に浸透させるには楽曲と評価基準を共有し、その基準をもとに譜面を調整することが良譜面には必要。
・譜面は楽曲へ自分の意思を反映させる唯一の媒体である。
・楽曲の構造に合わせた譜面の構造が推奨される。
・譜面には小節単位で一定の規則を持たせる。
・リピート構造は手抜きではなく世界観の提示に欠かせない技術である。


以上が譜面の構造に関する説明になります。このようにマクロな視点も良譜面を作るうえでは欠かせないのです。

話が概念的過ぎてどうにも形容しがたい部分が多くありますが、取り敢えず今回はここまでとさせて頂きます。
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